もういっそのこと全部ネットに上げちゃえばいいんじゃね?

umitanuki2008-01-17

Re: Macworld Expo 2008 の真打ちはApple TVだった: blog.bulknews.net

の記事を読んで最後の部分に共感を覚えた。

ちょうど以前 CNET に "When Piracy is easier" という記事 がのっていて、すごく同感したんだけど、海賊行為をする人のうちの幾分かは(全部とはいわない)、無料で入手できることが一義なのではなくて、そのほうが正規に買うより便利だから、ということがあるんじゃないかと。もちろんこんなこと書くと盗人猛々しい、って言われるのは承知なんだけど、消費者の求めるサービス形態・ビジネスモデルを模索すうることもしないで、音楽CDを買えばコピー無制限だから補償金を要求され、それ以外の配信は原則的にDRMを強化することで合意、基幹放送のはずのテレビはコピーワンス(10になったからって孫コピーができるわけじゃない)、放送を見逃したらバカ高いDVDを買わされ、その上ネットからのダウンロード行為は「違法サイトからのものは違法」という曖昧な基準で自粛せざるを得ない社会ってのは、なんなんだと。

まったくその通りで、地デジとかダウンロード違法とか的外れにも程があるわけですよ。ネットの先っぽでは「便利であること」をとことん追求している人たちがいて、彼らが世の中を変えようとしているのに、後ろに向かって全力疾走している制度がある。

個人的にこの問題の本質は利益保護だと思う。制度は既存のステークホルダーだけを保護しようしているが、それだけでは成り立たないほど便利な世の中になってしまった。
むしろ既存のステークホルダーを守りつつ新しい参加者にも利益を分け与えるべき。

で、妄想。

NHKから民法までのすべての地上アナログ波が一定期間ネット上にアーカイブされているとする。一か月ぐらいあればよいだろうか。全てのテレビがちゃんと検索できて、見たい番組を、好きな時間に、好きな場所で見ることができる。但しクオリティはFLVだし、CMもカットされないものとする。

という爆弾サイトがあったとして、成り立つかどうか。

案外、成り立つと思う。自分のライフスタイルからして、ゴールデンタイムなんか家にいないし、深夜番組もしかり。だけど明け方にふとバラエティが見たくなったりするわけで、そういうときに、オンデマンドで見たい番組が見れたら、たとえflvクオリティでもCMが入っていてシークバーがなくても、グダグダみてしまう。物によってはCMも見たいしね。

しかもそのflvの配布を自由に認める。Flashのには疎いのですが、flvのプレーヤーにアフィリエイトの仕組みかなんかを組み込んで、配布者が自由にアフィリエイトを追加できたりして。その配信サイトからコピーしてきたテレビ番組を自分のブログで紹介する。きっと今よりもっと多くの人が見たいテレビを見るようになり、CM効果も高まる。配布者もサイトのテイストにあった番組だけを集めてアフィリエイトができる。ニコニコ市場みたいにネタアフィリエイトを追加したりすると、自由配布の自由競争も高まってなお良いかも。当然番組を再編集すればCMカットだってできるわけですが、そんなことするのもアホらしいほどきちんと自由配信を認めたら、逆にCMカットなんて起きなくなるんでないの。

インターネットだしバイナリだから、コピーは理論的には無制限。だったら、それを認めて、かつ多くの人に利益がもたらされる仕組みを考える。そっちの方が、生産的じゃありませんかい。

北風と太陽のどっちが勝ったって、そりゃ小学生でもわかる話。