センチメンタリズム

umitanuki2008-02-20

恋愛は人を強くすると同時に弱くする。
友情は人を強くするばかりである。
                      ボナール

まったく関係のないはずのPhysical Securityの会議のはずが、思いがけず実力派ハッカーに出くわすという奇妙な経験をした後、自らの仕事とオープンソースについて考えて歩いていたとき、生協前の懐かしき呼び声が甦る。このまま帰れば予定通り帰社できるというロジカルな前頭葉を他所に、「メシ、くうか」という俺。
「いいで、なんにする」「この3Fのタイ料理でいいんじゃね」「おっけい」
といってずかずかと2Fの韓国料理屋に入る。もりもりとユッケビビンバを食う。会計は彼の今の願いが叶うという前提で俺が払う。駅へ向かう。所要30分足らず。

彼をしてここまでセンチメンタルに陥らせた出来事がかつてあっただろうか。究極の語り節で出来事の表と裏の表層だけを喋り続けてきた男が突然物事の本質を語り出したように、この男もまた変わろうとしているのかもしれない。伴侶を見つけるというのはそういうことなのだろうか。いや、そうでなくてはならないと思う。

奇しくも、それはカストロが政権を辞した日の夜のことであった。