シリコンバレーエンジニアがどんだけ稼いでいるか調べてみた

繰り返し出てくる話題なのでちょっとここらで調べてみました。

米国の新卒エンジニアの給与は8万ドル! - Togetterまとめ
「米国の新卒エンジニアの給与は8万ドル!」の件について - Future Insight

以前ブックマークで拾ったこれを参考に。

H1B Salaries in the US at A penny for thoughts?

西海岸でエンジニアやるというとだいたいH1Bビザだと思うのですが(最近はそうでもないか。GREE/DeNAとかあるから)、実はH1Bビザを取得するには雇用主が米国にLCAという書類を提出しなければなりません。この書類には従業員の給与を含めた労働条件を明記することになっています。そしてなんとこのデータはWebからダウンロードできるんですね。

FLCDataCenter.com

というわけでさっそくダウンロードしてDBにぶち込んで必殺ウィンドウ関数でランクを作りました。データは2010の全米ですが、この中から労働する州をカリフォルニア、職種に'Software'が現れることでフィルタしています。もちろんステータスが'CERTIFIED'のものです。また、賃金は一部レンジで含まれているため、その場合は平均をとりますが、年俸意外のデータは省きました。

ちなみにデータの形式はCSVですが文字コード系のエラーとかで苦労しましたので持ってる人はAccess形式の方が楽です。

カリフォルニア州ソフトウェア関連職種の賃金(2010年) Googleスプレッドシート

列の見方ですが、
1列目:順番
2列目:賃金の降順の累積密度(おおよその上位パーセンタイル)
3列目:雇用主名
4列目:職種
5列目:賃金

シートをあけると一番目にミリオネアが出てきますがこれは例外でしょう。この手のデータは平均や最大/最小をとっても例外値に大きく左右されてしまうので全データを分布で出しています。

ざっと見た感じですが、だいたい上が20万ドルから10万ドルに収まるのが全体の上位47%というかんじですね。ドル80円計算で1000万円稼ぐためにはおおよそ12万ドル必要ですが、その順位は上位15%ぐらいですか。下にいくとQAエンジニアとかが増えてくるようですが、上位80%ぐらいは8万ドルをもらっているような感じですね。

というわけで上で言われているような「学士出て8万ドル」はそう嘘でもなさそうです。30万ドルはちょっと言い過ぎました(そのホラを吹いたのは僕です)。ただこれはカリフォルニア州に限っているので、重要なH1Bプレーヤーホルダであるマイクロソフトを含んでいません。入れるとちょっと結果変わるのかな?続きはご自分でどうぞ!

H1Bはご存知の通りスペシャリストの一時雇用ビザですので、それなりにスキルがあることを前提とされています。彼らの統計が8万〜12万というレンジなのであれば、誰でも彼でも学生がそのぐらいもらえるという訳ではなくて、UCバークレーとかスタンフォードとかクソ難しい(入学するのも卒業するのも)ところを出なきゃならない。しかもよく考えてください、10万ドルもらっても77円計算なら770万ですよ。この状況を鑑みたら日本という特殊なマーケットで仕事を(比較的)簡単に見つけられる特権を生かさない手はないのではと個人的には思います。

ちなみにこの件に関して個人的な質問は一切受け付けませんので悪しからず。ぜひ直接遊びに来てください。