Technology Reviewのメモ

今読んでいるTechonology Reviewは2012年10月号だからだいぶ季節外れになってしまったが結構面白いので自分のためにもメモしておこう。

35歳以下の発明家35人

LytroのRen NG。この新しいデジカメは深度などのより多くの情報を写真に保存することで、あとからピントの調整ができたりする。技術が汎用化すれば今後のデジカメのデファクトになるような気がする。リンク先のデモもお試しあれ。Hirax.netさんは既にこの技術を悪用(笑)している。399ドルで買えるし買おうか真剣に悩む
・PinterestのBen SilbermannとSpotifyのDaniel Ek。どっちも自分は使ってないけど世の中の人が騒いでいるだけのことはありそう。Pinterestとか、社員60人で$1.5Bのバリュエーションとかどういうことかと。まあこの辺は「技術」なのかという気はする
・水素を太陽光で取り出す技術を研究開発するStanfordのWilliam Chuech。燃料電池ボトルネックが水素の安定供給だったりするのでこの辺でエネルギー改革が起きると面白いのだが
・エネルギーついでに、熱を反射したり透過させたり自由にできる窓の研究をしているState University of New YorkのSarbajit Banerjee。西日のきついオフィスにお住まいの方にはうってつけの技術では。本来の効用としてはスマートビルディング
・もう一つエネルギーで水素を吸収するスポンジの開発をするMITのMircea Dinca。水素を分子構造上に吸い込むことでまるでスポンジが水を吸収するかのように大量に保存できるかも。これは数年前流体のソフトを売り歩いているときに聞いたことがあるような気がするので、まあ水素関係はまだ実用できてないのかというツッコミどころも結構ある
・エンジン(内燃機関)を従来より高圧縮にすることでよりエネルギー効率を高めるEtaGenのShannon Miller。こういう要素技術でちゃんと会社にしてプロトタイプ作ったりしている人がいるというのは素晴らしい
・Raspberry Piを作ったEben Upton。$25で遊べるコンピュータは個人的にとても興味があるし、これを開発した動機が「このままではコンピュータの中身を知りたがる少年少女がいなくなってしまう」という危機感だというのがいい。本当は秋月とかがこういうことをやらなければならなかったのでは

何より普段CとかDBとかの技術にしか触れていないけれどもいろいろな分野の技術をさらっと知れるのはとても有用だと思う。NASAの生物学者とたまにお話するるもとても勉強になりますね。

「The Future of Work」仕事の未来。

ITやロボットの発達により、工場とか倉庫とかの仕事が文字通り消えている(いこうとしている)ことが報告されている。AmazonはKivaを買収して倉庫を全自動ロボットで運用しようと本気で考えているらしい。Foxconnて100万人近い中国人働かせてるらしいけれども、ここも本音はロボット化したいとか。でもそんなことしたらただでさえ成長が踊り場曲面の経済をよく思わない共産党政府が黙ってないので時期を伺っているとか。でもどうなんでしょう、ロボット化する費用と割とフレキシブルに新しいことすぐ覚えてくれたりして単価の安い十代女子とほんとに割が合うのかちょっと疑問ですね。女工とかいうとすごい哀愁を感じますがフルIT化ロボットVS女工という構図でみると映画イノセンスセクサロイドロリコン用)のイメージの方が強くなってしまって、そういう意味では人権とかも含めてこれは結構重要な問題のような気がしてくる。

あとは相変化メモリの話とか。

英語ではPhase-Change Memoryと書いてある。これも昨年夏頃にちょっとニュースになってるみたいですね。メモリの大容量化、高速化はデータベースには大きなインパクトがあるのです。一応今のところはSSDとかテラバイト級のメモリでオンメモリDBとか言っても、並行多重クエリ処理やら大量のソートが必要なクエリとかきちんとACID処理するとかなるとトラディショナルなディスクベースの処理の方がまだ有効なのですが、どの辺でターニングポイントが来るかはきちんと見極めておかないといけないし、それがこなくても例えばトランザクションログはそいういう高速メモリストレージにのせるのが基本になるとか、そういうのはハードウェアの進化によってだいぶ影響されます

メモは以上。

Technology Reviewと言えば前職でお世話になった方々がMIT出身だったので卒業生として送られて来ているのを拝見したことがあったが、当時はやはり英語の壁もありほとんど読めなかったような気がする。数年後に改めてその価値がようやくわかって来たような気がする。今自分の中ではHarvard Business Reviewと対を成しているけれども、両方ともBarnes & Norbleで気軽に立ち読み・購入できるのが素晴らしいと思う。雑誌はしばらく電子書籍では無理そうですね(UX的に)。