リーダーの資質、誠実であること

今の会社を退職しようと思っている。
上司には退職の意思を伝えたが、返事は保留されている。


何で退職しようと思ったのか、
それは第一にパッション、つまりただの直感だったのだが、
直感は表向きの退職の理由にならない。
少なくともオトナの世界ではならないらしい。


ということで、もっともらしい理由を考えた、というかよくよく考えてみると今の会社に対する不安は次のようなものだった。

  • この会社にいると、自分の5年後、10年後が楽しみではない
  • 平凡な今が永遠に続きそう
  • こいつのためならやってやるとか、この人のようになりたいといった気持ちが持てない

そんなおり、このブログを読んで目からウロコが落ちた。


魅力的な人間というのは、モラル、ロマン、リアルがバランスよくある人物だ、という内容を話したのですが、これは特にリーダーにとって必要な要素ではないかと思ったりしました。


リアルはある、モラルもたぶん・・・ある。しかしロマンはない。これは由々しきことである。5年後、10年後が楽しみでないというのは、漠然とした夢を抱けない、もしくは社員が共有していない、ということである。という話を先輩にしたら、「ウチの会社は売上を100億円まで伸ばして上場することなんだよ」という返答だった。ロマンは会社の経営目標ではないし、経営方針でもない。「ものづくりの国日本を維持するために働く」でもいいし、「農業、製造業の労働人口比率が3%になったときの新たな雇用を創出する」でもいいし、「少しでも長くこの会社で働いてもらいたい」でもいいと思う。それらは中期目標ではないのだ。会社としてのゴールであり、理想だ。それがなければ、もしくはそれを運命共同体であるところの社員に伝えようとする意思がなければ、社員は働きアリと化すのみである。「石を積んでいる」のか「大聖堂を作っている」のかは大きな差だった。

というわけでうだうだと文句を言っていたのだが、転職先の社長からこんなメールをいただいて、頭がさがる思いだった。

その人が、日々、他人への引継ぎをまじめに着々と行い、
なるべく残る人々に迷惑がかからないように気遣いながら
身辺整理を誠実に行っているのをみると
(これをいいかげんに、誠意なく行うと、強烈な反感をかいます)
「あぁ、辞める意志は固いのだなぁ」という意思表示となります。
身辺整理をしている状況を長く続けていると他の社員に確実に
影響が出始めるので 自然とエグジットが近くなってきます。


どんなに不満があろうとも、どんなに会社が自分に対して無関心であろうとも、少なくとも一年間メシを食わせてもらった相手として、誠意をもって対応しなければならない。ここで働き続ける人たちにとってはAcceptableな環境であるのだから、彼らの信じるものを否定しても始まらない。ただ、誠意をもって言葉と行動で自分の意思を明確に伝えることが大事なのだと、思わされました。